毎日のように英語のニュース番組を視聴するようになって,不思議な変化がありました。
私は仕事で英語の論文を読むことが多いのですが,
長文を読んでも疲れにくくなった気がしたのです。
音声を聞いていただけなのに,そんな馬鹿な,と思いました。
動画なので,英語のテロップは表示されます。
しかし短いものばかりであり,たいした量もないので
それを読んだところで長文読解力がつくとは思えません。
ちなみに,仕事で英文を読む量は前から変わっていません。
ところが,「リスニングを練習するとリーディングの力もつく」というのは
脳科学的にはあながち出鱈目でもなさそうです。
以下のテレビ番組を思い出してから,そう思うようになりました。
NHKスペシャル|病の起源 第4集 読字障害~文字が生んだ病~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2008/1012/
これによると,人間の脳は文字を読むときに
(1) 文字を図形として認識 → (2) 図形を音に変換 → (3) 音から意味を理解
という3段階の手続きを踏んでいるそうです。
文章を読むのと音を聴くのは別々の機能だと考えていましたが,実はそうではなく,
文章を読むのに,音を処理する回路を使っているのです。
なんでこんな回り道をとっているかというと,
人類が文字を使うようになったのは,人類の歴史にとって非常に最近であるため,
進化が追いついておらず,既に持っている機能を使って間に合わせているからだそうです。
興味深い話です。
番組によると,読字障害の人は (2) がうまく機能していないため
文章を読むのが苦手である,という説明がされていました。
上記の知識をもとに私の身に起こったことを解釈すると,
リスニングで (3) を鍛えたことにより,
その機能を使っているリーディングの力も一緒に強化されたと考えられます。
この仮説を応用するならば,
リーディングだけ鍛えたい場合でも,文章を読むだけでなく
時折リスニングもやったほうが効率的なのかもしれません。
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