2014年2月2日日曜日

牡蠣の生食用と加熱用の違いに,鮮度は関係ない

週末,ノロウイルスらしき症状で臥せっていました。
たぶん,食欲に負けて生牡蠣を食べたのが原因である可能性が高いです
(食べてから発症までの時間が,ノロウイルスの潜伏期間とぴったり)。

その時に調べていて知ったのですが,
牡蠣の生食用と加熱用の違いは鮮度ではなく,
基本的に採れた海域によるそうです。

信頼性の高そうな資料を挙げておきます。

生かきの取扱いに関する指導要領(広島県,平成24年8月30日改正)
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/83304.pdf

「第2 処理加工の基準」の「1 生食用かきの採取」では

  (1)生食用かきは,指定海域で養殖し採取すること。

とあります。
では「指定海域」は何かというと,
「第1 総則」の「3 用語の定義」によると

  (1)指定海域
  昭和 56 年 9 月 16 日付け広島県告示第 886 号に定める指定海域で,大腸菌群
  最確数が海水100ミリリットルにつき70以下の海域をいう。

だそうです。
上記以外にも「条件付き指定海域」で採取された牡蠣も,所定の処理をすれば
生食用として出荷してよいようです。

資料を読んだ限りで特筆すべきは


  • 海域の指定は都道府県(の保健所?)で行われているが,牡蠣そのものの検査は業者の自主検査に委ねられている(「第5 自主管理」の「2 自主検査」参照)
  • 海域の検査項目は大腸菌だけであり,ノロウイルスは関係ない


ということでしょうか。

もちろん,業者も食中毒を出せば最悪営業停止になるので,頑張って検査するでしょう。
そこでハネられて加熱用に回されるものもあると思います。
海域で大腸菌しか検査していないのも,たとえば「人間の排泄物が汚染の原因であると仮定すれば,
大腸菌の数とノロウイルスの数は正の相関にあるだろう」と言われればそうなのかもしれません。
古い基準がそのままになっている可能性もありますが。

<ここから 2/3 追記>

読者の方から教えて頂いたページ ( http://oo.spokon.net/yasu/kai/tanni.htm#daityo ) によると,
大腸菌数は糞便による汚染の指標として使われているようです。
消化器系伝染菌(赤痢菌、チフス菌、サルモネラ菌など)は常に大腸菌と一緒に存在していること,
また大腸菌が消化器系伝染菌より抵抗力が強く,検出が容易であることによる,とのこと。

ちなみにノロウイルスについては数を数えるのは難しいそうです。
別のページ ( http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11/k04_11.html ) によると
抗原検出システムを使って検出そのものは可能なものの,数を数えるには電子顕微鏡が必要であり,
また培養方法も確立されていないそうです。

<2/3 追記 ここまで>

いずれにせよ「ノロウイルスに関しては結構ざっくりとした基準なのだな」という感想を抱きました。

最後に,他に参考にした資料を挙げておきます。

牡蠣の「生食用」と「加熱用」の違いは?|牡蠣百科|カキペディア|Kakipedia|日本オイスター協会オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/oysters/entry-10067142634.html

生食用かきと加熱用かきの違いについて - 境田かき|広島牡蠣を産地直送
http://www.sakaidakaki.com/?mode=f6


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