2012年5月23日水曜日

日食と飛行機のコラボ写真からどこまで分かるか


金環日食の日、日食に飛行機が重なっている写真が話題になっていました。
ちなみにこれは今回のものではなく
2010 年にバンコクで撮影されたものだそうです。元記事は以下。

ニュース - 科学&宇宙 - 今世紀最長の金環食:タイ、バンコク - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100118002

それはさておき、
ふとジョジョの吉良吉影のネタ
を思い出して撮影者から飛行機までの距離を
見積もってみました。
他にも写真一枚から推理できそうなことをメモしておきます。

おことわり:見積もりは桁が合っているかどうかという程度の精度です。

== 撮影者から飛行機までの距離は?

写真によると飛行機の全長の 4 倍が太陽の直径くらいですかね。
よって

  (太陽の半径) : (太陽までの距離) = 4 x (飛行機の全長) : (飛行機までの距離)

太陽の半径は 7 x 10^8 m、
太陽までの距離は 1.5 x 10^11 m であり、
飛行機の全長をざっくり 50 m と仮定すると、
飛行機までの距離は 10 km 程度になります(全長 75 m の仮定だと 15 km)。


== 撮影時刻は?

写真での太陽の欠け具合と、上記サイトに書いてある 2010/1/15 の日食、バンコクで撮影という情報から絞り込めます。
日食時の太陽の情報としては以下のサイトがありました。

日食各地予報
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/koyomix/eclipsex_s.html

2010/1/15 の金環日食を選び、バンコクの緯度経度として
北緯 13° 75′、東経 100° 50′を入力します。

結果を見ると、
写真の太陽の欠け具合に近いのは日本時間の 17:00 頃のようです。

== 飛行機の高度は?

撮影日時と場所が分かれば太陽の仰角が分かります。
さっきのサイトで日本時間 17:00 の高度は 38.2° とのことなので

  10 km x sin(38.2°) ≒ 6 km

ただし、これは先ほどの飛行機の全長の仮定に大きく依存します
(全長 75 m の仮定だと 9 km)。
最初に行った、太陽と飛行機の見た目の大きさの見積もりがいい加減なことを考えると、
上昇・下降中なのか最大高度で巡航しているのかは判断できません。

== シャッターチャンスは何秒間?

ジャンボジェット機が最高速度で飛行しているとすると
おおよそ 300 m/s くらいの速度のはずです。

太陽の見た目が飛行機 4 台分、飛行機の全長が 50 m とすると
太陽一個分を進む時間は 2/3 秒程度。
さらに飛行機が太陽の右下の縁に重なる時間は 1/6 秒ですから
相当タイミングが合わないと撮れない写真だということがわかります。

== その他分かりそうなこと

以下は原理的にはできるはずですが、
データを探すのが面倒なので具体的な値を出していません。

* 写真に写った飛行機はどの便か?
  * バンコクやその周辺の飛行機の航路を洗いだせば絞り込めると思われます。
* 撮影場所をもっと絞り込むには?
  * 撮影場所と飛行機と太陽が一直線に並んでいるので、原理的には飛行機と太陽を結んだ直線と地球の表面が交差する場所が撮影場所のはずです。飛行機の便が絞り込めれば撮影場所の絞り込みもできますが、飛行機の飛んでいる時間と場所をどれだけ精度良く知ることができるかに大きく依存するでしょう。

2012年5月2日水曜日

「切り上げ力」


どうすれば早起きできるかを考えてみる。

早起きする方法は、大きく分けて二つ。
睡眠時間を短縮するか、寝る時間を前倒しするか。
睡眠時間短縮なんて芸当は、
パフォーマンスを保つことを考えると
それなりの訓練やサポートがないと無理じゃないだろうか。
人間の一番強い欲求は睡眠欲だという説があるくらい、眠気に勝つのは難しい。
それよりは、睡眠時間を保ったまま時間を前にシフトするほうが簡単だ。
(活動時間が一緒の長さなら早起きの意味が無い、というツッコミはあるかと思うが、タイムシフトの意味ではそれなりにメリットはあるだろう)

寝る時間を早くするのもそんなに簡単じゃない。
寝るまでのスケジュールが詰まっている日、たとえば
飲みに行った日は帰りが遅いのでそれまでは寝られない。

それ以外では、仕事でもプライベートでも何かしら
「あとちょっと」「もうちょっと」と思って終わる時間を先延ばしにして
遅くなることがそれなりにある。
調子が良い日だと、今のうちにどんどん先に進んでしまいたい。
キリの悪いところにいると、キリの良い場所で終わりたい。
これはスケジュールがうしろにずれたり、
他の予定が犠牲になる原因として結構馬鹿にならない。

そうすると、
早起きするには、
「早起きするぞ!」という信念よりも、
時間が来たら進捗の如何にも関わらず容赦なく切り上げて次に
移れる勇気の方が役に立つのではないか。
勝手に「切り上げ力」と名付けることにする。

家庭に小さな子供がいる人は、切り上げ力が高いイメージがある。
終業時間が来たらバタバタバタっと片付けて速攻でオフィスを飛び出すようなイメージ。
たとえば、子供を幼稚園に迎えに行かなきゃならないなら、
そりゃ仕事が途中であろうがなんでもあろうが放り出して行きたいだろう。

切り上げ力が高い人は仕事が出来るイメージもある。
仕事が出来るから定時で切り上げられるのだ、という反論もあるだろう。
だが、余程切羽詰まっているので無い限りは
容赦無く切り上げるようにする毎日を送れば、
時間内に収めるように考える癖が定着するのではないか、と期待している。

でも、毎日締め切りに追われていたらこの訓練が始められない orz