2018年3月25日日曜日

[雑感] 古文書の残存率の見積もり方


「文書を数百年やそれ以上の長さで残すには」という話題を耳にしたのですが、
その際「ちなみに過去の文書はどれくらいの速さで消えていくのだろう」と気になりました。
古代史の本を読んでいると「それについては記録が残っていない」「そういう文書があったことは分かっているが、現存しない」という話をよく見かけます。

横軸を「今から何年前」、縦軸を「残存率」(=現代に残っている文章量/当時書かれた文章量)に取った両対数グラフを描くと、
おおまかにはベキ的に減衰していく気がします(紙、木簡、石版、などの媒体別の残存しやすさ、厳重保管されているか否か、などのパラメータはとりあえず無視)。
この傾きの値が分かれば、「この文書は何部コピーがばらまかれているので、○○年後までは残りそう」というようなことが見積もれそうです。

残存率をどうやって得るのかはちょっと骨が折れそうです。
たとえば「孫子」の書かれた約2500年前の文書の残存率を計算しようとすると、
分子と分母にあたる「当時書かれた文書のうち、現在に残っている文字数」と「当時書かれた文字数」を見積もらなくてはいけません。
後者は当時の人口などから見積もれそうですが、前者はどうするか。
「孫子」などの有名な文書だけでなく、遺跡から発掘された無名の文書の文字数も見積もることになるでしょう。