2014年4月27日日曜日

連合が GW 中の大会開催を決めた経緯と、それをもとに想像した 2016 年大会の行方 #JpGU #JpGU2014

2014 年の日本地球惑星科学連合大会 (JpGU2014) は
4/28(月)~5/2(金) に開催されます。

これは GW 中ですし、欧州の類似の学会である EGU とかぶってしまっています。
EGU とかぶったことについては会員からクレームがついたそうです
(日本地球惑星科学連合メールニュース 5月号 No.168  2013/05/10 より)。

この日程設定は運営の失策だと言わざるを得ません。

ですが、運営を批判するだけでは始まりません。
個人的には、どうしてこのような決定に至ったのか興味をもったので、
ネットで入手できる範囲で調べてみました。

なお、以下では GW 中開催に至った経緯のみを調べており、
他の学会との連携については触れていません。

2014 年大会の日程・場所決定までの経緯


連合理事会の議事録を時間を追って見ることにします。
ちなみに議事録一覧はこちらから見ることができます。

2012 年の 9 月の時点では

      2014 年以降講演会場を増やすことができるよう、追加になる会場の見積りをとってい
      ることも説明された。年内にはある程度の見通しを立てる予定である。
     
      (2012/09/28 平成24年度理事会(第5回)の議事録 p. 2 より引用)

とあります。
連合大会は例年幕張メッセの国際会議場で開催されているのですが、
この時点では幕張メッセ周辺で会場を拡張する方向で検討していたようです。

次の、年末の理事会で具体案が出ます。

      第 7 号議案 2014 年大会開催方針の件(会費・参加費等値上げ検討 WG 立上)(浜野理事)
       資料 P94-112
       2014 年以降に関しては、現在幕張メッセの国際会議場はすでに一杯であり、参加者増加
      を目指すならば会場を広げるしかない状況である。その為、以下の案が提案された。
      1) 幕張メッセの国際会議場と展示場の半分を使用(国際会議場:5 日/展示場:3 日)
      2) 幕張メッセの国際会議場と APA ホテルの 2 階の宴会場を使用
      (国際会議場:5 日/APA 宴会場:3 日)
      3) 国際フォーラムのガラス棟を使用
      4) 2015 年度以降パシフィコ横浜を使用することとし、2014 年度は幕張メッセで開催する
      5) 新宿の京王プラザホテルを使用
      これらを基に議論がなされ、値上げWGを立ち上げ、値上げの件も併せ以下の案をベース
      に早期に方針を決定することが確認された。
      1) 今まで通り幕張メッセ国際会議場で6日間開催
      2) 6 日から 5 日に会期を短縮し、APA ホテルの宴会場か幕張メッセの展示場を使い開催
      3) 2014 年は何も変えず、2015 年にパシフィコ横浜を借りて開催する
     
      (2012/12/26 平成24年度理事会(第6回)の議事録 p. 5 より引用)

ここでも 2014 年は幕張メッセ+別会場の方向で検討されています。
また、後半の 案 3 では 2015 年にパシフィコ横浜で開催する可能性を模索していました。

検討の結果、次の理事会で「2014 年は幕張メッセ開催」がひっくり返りました。

      第 2 号議案 2014 年大会の会場、および 2015 年以降の会場および大会参加料、投稿料の
      値上げについて(浜野理事)資料 P17-32
       投稿数は年々5%程度づつ増加しており、近年は 4000 件程度である。この数を幕張メッ
      セの 18 会場でやるのはかなり難しく、今年は1コマを 7 講演とし、一日の開催時間が長く
      設定されている。投稿を増やす為には会場を増やすことが必須である。幕張で会場を増や
      そうとすると、1000 万円程度、会場費が膨らむことになる。連合大会を一か所でやれると
      ころはパシフィコ横浜しかない。メッセより広いが人気があるので通常連合大会を開催し
      ている日程では借りられないが、2014 年は 4 月 28 日から 5 月 2 日までは空いている。
      22 会場 5 日間で 2400 万円程度で開催できる見込みである。2014 年は AOGS が札幌で 7
      月末から 8 月初旬に開催が決まっている為、少しでも会期を離す必要もある。2015 年は連
      休以外はパシフィコ横浜は空いていないので、2014 年はパシフィコ横浜で 5 日間、2015
      年は幕張メッセで例年通り 6 日間開催をして、それ以降についてはアンケートをとって開
      催場所を決定することが全会一致で承認された。
     
      (2013/03/07 平成24年度理事会(第7回)の議事録 p. 3-4 より引用)

要するに、前回の案 3 (2014 年は幕張メッセ、2015 年はパシフィコ横浜)で
行こうとしたが、2015 年のパシフィコ横浜は連休以外では既に空きがなかったため、
2014 年と 2015 年の場所を入れ替えた。
で、2014 年のパシフィコ横浜は、
別の大きな学会 (AOGS) と離れた日程では 4/28-5/2 しか開いていないので、
その日程にした、ということなのでしょう。

当初予定を覆して 2014 年にパシフィコ横浜にしたのが個人的には分かりかねます。
会場費が膨らむから幕張を見送った旨がありますが、2015 年は幕張で行うわけですし。
2014, 2015 年両方とも幕張とし、パシフィコ横浜は 2016 年以降開催に
考えなおす案はなかったのでしょうか。
「連合大会を一か所でやれるところはパシフィコ横浜しかない」あたりから
パシフィコ横浜での開催にこだわっているように感じられます。

2年以上先のパシフィコ横浜が予約でいっぱいになっていた
(2013 年 3 月の時点で 2015 年の初夏が埋まっていた)
という事実は、想定外のものだった(厳しく言えば、見積もりが甘かった)と思われます。
結果論ではありますが、初動が遅かったと言えるでしょう。
ここから教訓として「万人規模が参加するような大きなイベントを開催する場合は、
2年前からの準備では遅いかもしれない」を得ることができます
(ちなみに、パシフィコ横浜は施設によっては3年前から予約可能のようです)。

また議事録の「2015 年は連休以外はパシフィコ横浜は空いていない」より、
2015 年のパシフィコ横浜開催を見送ったことから、
連休開催を避けようとしていることがわかります。
にもかかわらず 2014 年に 4/28-5/2 を選択したということは、
この日程は連休中ではないと認識しているのでしょうか。
もしくは、この日程も連休中なので良くない、と
苦言を呈した人がいたかもしれませんが、
議事録に残っていないだけかもしれません。

2016 年大会の日程・場所決定に関する「悪い」シナリオ


ここから話を少し変えます。
上記を踏まえた上で、考えを未来に向けてみます。
2016 年の連合大会のことです。

今のところ「アンケートをとって開催場所を決定する」ことになっています。
アンケートはまだ実施されていません。
今回の横浜の大会を経験しないと幕張と比べることはできないので、
早くとも今回の大会の後でしょう。

さて、私は先ほど、初夏に限れば
「2年以上先のパシフィコ横浜が予約でいっぱいになっていた」と書きました。

これは 2013 年の実績ですが、今年もその可能性が高いのではないでしょうか。
つまり 2016 年初夏のパシフィコ横浜はもう埋まっているかもしれません。
初夏以外の季節の空き具合は分かりませんが、
運営は日程を確保できるかどうか調べているのでしょうか。
もしかするとアンケートの結果を待つなんて悠長なことを
やっている暇なんかないのでは、と心配になります。

2016 年大会の「悪い」シナリオを考えてみます。

仮に、アンケートの結果、2016 年はパシフィコ横浜の開催に決まったとします。
この場合、2016 年初夏のパシフィコ横浜は
2015 年の場合同様、初夏は埋まっている可能性が高いでしょう。
そうすると、他の季節に開催することになります。
アンケート実施が遅い場合、つまり会場予約が遅い場合、
人気のない季節しか残っておらず、参加しづらい日程になる恐れがあります。

最悪のケースは、パシフィコ横浜でどの季節も日程を確保できず、
アンケート結果が覆されることです。
その場合は 2016 年は幕張開催になるでしょう。
しかも、先述の通り幕張では会場費が高く、
パシフィコ横浜に比べて参加費などの値上げが実施されます
(2015 年は幕張なので、据え置きという形になるでしょうが)。
学会員にとっては、意見が通らず、負担も大きくなる事態に不満が募るでしょう。

以上、悪い方向に考えましたが、
上記は私がぱっと考えただけのものであり、
実際には杞憂に終わるかもしれません。
また、アイデアが出て、問題は回避されるかもしれません。

私も末端ではありますが会員なので、
ただブログで文句をいうだけでなく、
窓口に意見のメールくらいはしようと思います。
おせっかいかもしれませんが。

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