ライフログという言葉があります。
ざっくり言うと,身の回りに起こったいろんなこと,
たとえば日記,行動ログ,体重などを
手動または自動で記録していくことです。
ライフログを取る利点は何でしょうか?
行動ログを見て自分の行動パターンに気づいた,とか
Evernote に保存していた数年前のメモが出てきて
当時と今の自分の違いに驚いた,ということは
よくブログで見かけますが,
これはライフログの効用の一部でしかないと思います。
これは私の予言ですが,
近い将来,統計数理を駆使したライフログの客観的解析が
普及してくるはずです。
たとえば,こんなサービスが出てくるはずです。
いつ何をしたか,の行動ログを蓄積していくと,
サービス側がそれを統計処理してくれて,
「このユーザは○○のときに××をすると調子が良くなる傾向にある」
ということを,あなたの代わりに発見してくれます。
それをもとに,未来が「サジェスト」されることでしょう。
「次は××をすると目標に早く近づけますよ」と。
それだけではありません。
数万人単位のユーザーの行動を集めることで,
「こういうタイプの人はこういう行動をするとどうなる傾向にあるか」
という解析ができますから,
あなたがまだやったことのない行動に対しても,
どうやればうまくいくか,ということを「サジェスト」してくれるでしょう。
コンピュータがあれこれ提案してくれる,
SF によく描かれる世界が実現されるわけです。
私は自分の中で,こういうサービスを
「ライフ・サジェスト」サービスと呼んでいます。
私の感覚では3年後くらい,すなわち
2017 年ごろには「ライフ・サジェスト」サービスが多数出ていても
おかしくないと思っています。
それを強く思うようになったのは,
Intel Edison という,SD カードサイズのコンピュータが
開発されている,という記事を見てからです。
ウェアラブルコンピュータの普及が近いと感じました。
これまで,いわゆるビッグデータとしてのライフログをビジネスに結びつけよう,
というアイデアはあったと思いますが,
手動による記録ではデータの品質の低さ,不均質さのために,
活用はかなり限定的であったと思います。
しかしウェアラブルコンピュータは,身につけてさえいれば,
機械が長時間,一定の品質のデータを取ってくれます。
データをもとに「サジェスト」を作るためには
そのためのアルゴリズムが必要ですが,
これは既に実用化されています。
たとえば,Amazon で買い物をすれば
「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」
と,サジェストされますよね?
これを行動に置き換えるとこうなります。
「この行動をした人は,この後こんな行動をしてうまくいっています」と。
話が長くなったのでまとめますと,
「ライフ・サジェスト」が実現するためには
(1) 大量で良質のライフログ
(2) 大量のデータからサジェストを作成するシステム
が必要だと私は考えます。
(2) は既に実現しているので,残りは (1) だけであり,
これは,ウェアラブルコンピュータが普及した時に実現するはずです。
そして,ウェアラブルコンピュータは近い将来には普及すると考えますので,
その時には「ライフ・サジェスト」も実現されると踏んでいます。
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