2014年3月7日金曜日

その買い替え,本当に節約になっていますか?

消費税増税の前に,節税対策として
家電などを買い替えようという話を耳にします。

たしかに,今のうちに買い替えれば,
3%分は節税できます。

でもその「節税対策」は,
「節約」になっているのでしょうか?

たとえば,買い替えサイクルが5年の家電を持っていて,
今は4年経っているとします。
本来ならば,買い替えまであと1年です。

ここでは問題を単純にするために,
買い替えの前後で家電の価格や性能は変わらないものとします。

さて,節税対策として,買い替えるべきでしょうか?

私の答えは "No" です。

理由は,減価償却,と言えば
「ああ」と思う方も多いと思います。

具体的に,家電の本体価格を 10000 円として計算してみましょう。
消費税が5%だと,税込みで 10500 円です。

これを5年間使うと,価値が0円になるとします。
価値の減り方は,ここでは単純に,
1年で価値が 2000 円ずつ減っていくと考えます。

4年使った状態では
10000 - 2000 x 4 = 2000 円分の価値が残っていますが,
買い替える場合,これを捨ててしまうことになります。

一方,増税前に買い替えたことで節約できた消費税は,
10000 円の 3 % ですから,300 円です。

結果として,300 円の税金を節約するために
2000 円を捨てることになりました。
これは大損です。

もちろん,これまでの議論は非常に単純化していますので,
上記の計算方法がそのまま使える場合は稀だと思います。

実際には,家電が進化して
性能向上や省電力がみられることも多いので,
買い替えたほうが良い場合も多いでしょう。

ここで私が言いたいのは,
「買い替えたら節税できる」という言葉に気を取られて
よく考えずに買い替えると
トータルで損をする場合もある,ということです。

買い替えの検討の際には税金だけでなく,
減価償却やランニングコストなども考えて,
電卓を叩いて考える余裕を持ちたいものです。

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